イチから勉強し直します。

ある日突然1億2324万3131円の負債を背負わされ、人生リセットを余儀なくされた30代独身男フリーランスの実録とか、を書くつもりだった。

【ブログやめます】閉鎖理由5つと、最後のごあいさつ。

 ご無沙汰しております、逆・億男(さか・おっくまん)です。悪い大人達によって危うく人生をBANされかけ、復帰の陳情としてブログという名の反省文を書いているところです(ネタが古い)。


 ……というつもりだったんですが、ごめんなさい。ブログ開設から8ヶ月、通算たった4記事目(笑)となる当記事にて、このブログ「イチから勉強し直します。」を閉鎖させていただくことにしました。本当にお恥ずかしい限りなんですが、後述の理由から「これ以上このブログに記事を書いていくことは無理」という判断に至りました。


 さすがに、何もしないまま中途半端に放置するのは心苦しいので、最後にせめてもの幕引きとして、閉鎖理由の説明5点と、(いたのかどうかわからない)読者様へ、現状報告をさせていただければと思います。



閉鎖理由(1) この時代、完全匿名でブログを書くには限界があった。


 実はこのブログを開設すること自体、弁護士さんに「あまり勧められた行為ではない」というご指摘をいただいていました。万が一身バレしてしまうと、その後の法的手続きに悪い影響が出かねないためです。


 そのため徹底的に「完全匿名」を貫く必要があり、不必要な情報を載せないことはもちろん、具体的な内容も事実とは少しずつ改変してボカし、さらにはSNSからも隔離させました。


 しかし今時のブログでSNSから隔離するような方針を採るのは、完全に「ネットの孤島」作り出す行為に等しい。バズるなんて夢のまた夢、たまに検索流入で誰かに発見されても、そもそも内容が薄いので素通りされてしまう。Twitterアカウントはフォロワー数ゼロ。月間PVは10~20ほどを推移(うち半分以上は自分)。


 そんなんだから、ますます書く気が失せる悪循環……。


 とにかく既存の人脈を使わず誰かにリーチしなきゃならんと、有名ブロガーの皆さんに無差別で「読んでください!」ってバラ撒きまくるドサ回り的手法も思い浮かびましたが、友人に話したら「やめとけwwそれスパムwww」と一笑に付され実行はできずじまい。


 識者の方から見れば何か別の方法があったかも知れませんが、官報に名前が載ってしまった今の自分には「完全匿名を保ちつつ、バズるまで記事を書き続けるのは難しい」と判断せざるを得ませんでした。



閉鎖理由(2) 実はそれほど珍しい人生経験でもなかった。


 このブログを開設した動機としては「こんな珍しい経験してる人間そうそうないから、その経験をつまびらかに書いておけば、共感してくださる方がいたり、今後自己破産する人の参考にもなるんじゃないか」という思いが一番にありました。


 しかし時間が経って、いろいろ調べたり、人の話を聞いたりするうちに「おおっぴらに言わないだけで、親の会社の破産で突然借金を背負ったり、自己破産するハメに陥った人は意外と多い」という現実を知りました。

 
 母が急逝し、自己破産の道しかないとわかった直後は「ああ、俺は今、日本で一番不幸なメに遭ってる」と思い込んでましたけど、私が世間知らずだっただけで、それほど珍しい経験ではなかったんですね。それに気づいた途端、上に書いた動機の大半が無意味になってしまいました。



閉鎖理由(3) 自己破産者にしては、恵まれすぎていた。


 また、法的手続きが進むにつれて、私の自己破産が「かなり恵まれた、特殊なケース」であることもわかってきました。箇条書きで例を挙げると、

  • 破産しても家族(妹)と一緒に住める場所が確保されていた。
  • 担当してくださった弁護士さんは、とある大手金融機関の顧問弁護士を担当されている方で、今回の件で言えば超適任。
  • 本来なら大半が差し押さえられるという、PCや機材の差し押さえが最小限にとどまった。
  • 地域の中に「悪いのはスキャンダル銀行」という共通認識が広まっていたためか、仕事面・生活面で助けてくださる方が大勢いらっしゃった。


などなど。私たちが「それまでとほぼ変わらない生活」を送れるよう、あらゆる方が尽力してくださいました。本当に感謝してもしきれません。


 親が遺した実家や工場の建物・土地はもちろん、積み立ての保険や貯金の大半など、私自身が持っていた資産も9割近くは手放さなければならない結果になりましたが、むしろ今は、以前とほぼ変わらない生活を送れていること自体のありがたさを噛み締めながら日々を送っています。


 しかし、そんな恵まれすぎたレアケースとなると……、ブログ的にはいくら記事を書いても「今後自己破産する人の参考」にはなりませんね。



閉鎖理由(4) 勢いでブログ始められるようなテーマじゃなかった。


 法的手続きが始まったころ、今後の見通しが立たない不安感から、「自己破産」でググりまくってました。それなりに情報は出てきたんですが、あまりに古い数十年前の体験談や、法律事務所が書いたビジネス記事ばかりで、新しめの、生の体験談が少なかったんですよね。


 そのことを友人に愚痴っていたときに「じゃあ、アンタが書いたら? 破産を軽いノリで語るブログとか面白そうじゃん」と言われ、「なるほどイケるかも」と、割とリスキーなテーマのブログを半ば勢いで始めてしまった感はあります(そう言えばこの頃は、本気でアフィリエイト収入も狙ってたりしました……)。


 でも、新しめの破産体験記事がほとんどないのって、現在進行形の当事者がそんな表立ってブログ書くような活動したら、ヘタすれば余計なトラブルが増えるだけだからなんですよね。


 僕が伏線として用意していた「スキャンダル銀行」と「パラサイト社員」は特にそうですが、本当に書きたかった告発的な内容は、ボカして書いたとしてもかなりマズい。


 大した証拠も揃ってないまま適当な推測を書いて、万が一意図しない形でバズったりでもしたら、それこそ相手から告訴されて、一段とややこしいことになる最悪のケースも考えられます。


 そんなリスクをわざわざ負わないためにも、弁護士さんは「勧められた行為ではない」とご指摘くださったんだと思います。冷静に考えてみれば当たり前の話でした。



閉鎖理由(5) 超遅筆。


 これ、なにげに一番大きい理由だったりします。とにかく私、文章を書くのが遅い。


 このブログでは、この記事を除いて3本の記事を書きましたが、だいたい1記事平均の文字数が2000文字弱。最近は記事に文字数を明記しているブログも多いですが、ブロガーの皆さんは、例えば2000字ぐらいのブログ、どのくらいの時間で書くんでしょうね?


 実は私、2000文字の1記事書くのに6~7時間は掛けていると思います。ちょっと文字数多めだった2番目の記事なんか、丸一日かけて書いた記憶があります。

ockman-saka.hateblo.jp


 常に商業ベースに乗せらるような名記事を量産できるならまだしも、一般ブロガーが平々凡々の記事を書くスピードとしても、これは遅すぎますね。


 もちろん自分の超遅筆に自覚はあって、それを克服できればとも思ってたんですが、そもそも記事を書かなかったから、克服も何もあったモンじゃないですね。


 告白すると、この閉鎖理由記事を書き始めたテキストファイルの作成日は、なんと8月23日。この日からほぼ毎日書いたり消したりを繰り返し、アップできるまでに、なんと1ヶ月もの時間を要しています。だからこそ冒頭の挨拶ネタは古かったわけで……。



まとめと現状報告


 以上が、閉鎖に至った理由5点です。これらが絡み合って「もう書けねえ」となったわけですが、ブログ開設前にちゃんと考えれば、結果こうなることは判断できたと思います。


 そんな冷静な判断力が失われるくらい、「母親の急逝」と「自分が自己破産する事実」の同時発生が、僕自身にとって衝撃的な出来事だったことは間違いありません。


 現状報告としては、2月に破産開始決定が下りてから、およそ7ヶ月で破産手続は終了し、9月中旬に裁判所から免責(負債が免除されること)が下りました。今は、いろいろ助けてくださった皆様のおかげで、前よりも忙しくなった仕事に精を出す毎日です。


 スキャンダル銀行の抵当に入っていた実家や工場は建物・土地ともに競売にかけられ、いずれ建物は取り壊されると思いますが、来年春ごろまでは自由に入っていいそうで、思い出の品の回収や、最後の記録撮影を急ぎたいところですね。



最後に、ごあいさつ。


 2015年末に突然人生がひっくり返ってから9ヶ月間、本当にいろんなことを学ばせてもらいました。このブログのタイトルは「人生のリセットから新しく勉強し直す」という意味で付けましたが、何よりも助けて下さる人のありがたみを「イチから勉強」できたのが最大の収穫でした。


 このブログについては正直失敗でしたが、いつか「あのときは大変で、こんなこともしちゃってw」みたいに、友人と笑って話せる日が来るといいなあ。


 ブログについてもイチから勉強し直して、また新しく別の場所で書ければと思います。今度は完全匿名じゃない形でね(笑)。


 それでは、最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました!


 皆さんは自己破産しないよう、気をつけてくださいね。しないに越したことはないんだから。